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新井薬師前駅近く「スタジオ35分」で村越としやさん写真展「灯と煙たち」

村越としやさんの作品

村越としやさんの作品

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 写真家・村越としやさんの写真展「灯と煙たち」が11月6日、廃業した写真館をリノベーションしたギャラリー&バー「スタジオ35分」(中野区上高田5)で始まった。

(関連フォト)ギャラリー「スタジオ35分」

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 1980(昭和55)年、福島県須賀川市生まれ。村越さんは故郷の福島県を主な被写体に選び、人の持つ潜在的な記憶と自身の記憶、土地の記憶をなぞるように継続的な撮影を行っている。2011(平成23)年の東日本大震災以降は、より重点的に福島の撮影に取り組み、風景の変化と矛盾、人々の視覚的な認識の違いなどを見出だそうとしているという。日本写真協会賞新人賞(2011年)、さがみはら写真新人奨励賞(2015年)受賞。東京国立近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、福島県立博物館、相模原市に作品が収蔵されている。

 村越さんは「今回の展示は、2009(平成21)年に祖母の死を経験したことで、地元・福島の風景を撮ることと家族との思い出や記憶がリンクするようになった時期に撮影した写真で構成している。2010年刊行の『雪を見ていた』、2011年の『土の匂いと』、2013年の『木立を抜けて』、2016年の『雷鳴が陽炎(かげろう)を断つ』に続くシリーズとして、2023年に福島県立美術館で発表した作品の東京での初展示になる」という。

 同ギャラリー店主の酒航太さんは「村越さんは長年にわたり、故郷である福島の風景を撮影し、継続的に作品を発表している。彼が撮影する風景は、普段見過ごされがちな何でもない福島の一場面だが、作家自身によって焼かれたプリントに残る風景はとても美しく、静かにそこにたたずんでいる。日暮れ前に撮影されたほの暗い写真群から展示のタイトルが示すように、くすぶる灯と煙たちが鑑賞者の心にすっと立ち上がってくることを期待している。『灯と煙たち』は2023年に福島県立美術館で発表し、2024年の木村伊兵衛賞の候補となった作品なので、ぜひお越しいただきたい」と話す。

 開催時間は16時~22時。日曜・月曜・火曜定休。入場無料(要1ドリンクオーダー)。12月7日まで。

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