廃業した街の写真館をリノベーションしたギャラリー「スタジオ35分」(中野区上高田5)で2月1日、池田宏さんの写真展「AINU-LANDSCAPE」が始まる。
池田さんは1981(昭和56)年生まれ、佐賀県小城市出身、大阪外国語大学外国語学部スワヒリ語科卒業。2006年に「studio FOBOS」入社、2009年よりフリーランスとして活動しているカメラマン。約10年前から取材しているアイヌを題材とした作品集「AINU」がリトルモア社から出版されることを記念して今回、写真展を開く。
池田さんは「AINU」あとがきに、「酒を酌み交わしながら馬鹿笑いし、時には仲違いすることもあった。いまでは『あのときこうだったよな』と笑い合える人たちがいる。多くの出会いと別れに一喜一憂するばかりで、おまけのように写真があったような気がする」と記している。
写真展に合わせ、被写体となったアイヌのハンターが捕った鹿肉の野趣にあふれるうま味を堪能する「鹿肉の会」(初日18時~、16日18時~)、池田さんと岐津雄大さん(関東に暮らす若きアイヌ)・浅原裕久さん(編集者)による「自分にアイヌの血が入っていることを知ったときの思いと、その後の人生」トークショー(9日17時~)も開催する。
5日には荻窪の「本屋Title」(杉並区桃井1、TEL 03‐6884‐2894)で、「池田宏が語る、アイヌの血を引く人々への取材を通して気づかされたこと」をテーマとしたトークショー「AINU-PORTRAIT」も開かれる。
写真展の開催時間は18時~23時。日曜~火曜休み。トークイベントの申し込み方法は「スタジオ35分」ウェブサイトで確認できる。2月16日まで。