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新井薬師「しょぼい喫茶店」が閉店 人生に行き詰まった学生が開業、丸2年で

後に夫婦となったえもい店長(左)とスタッフおりんさん(開店当時に撮影)

後に夫婦となったえもい店長(左)とスタッフおりんさん(開店当時に撮影)

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 2018(平成30)年3月1日に中野・新井薬師「梅照院」近くの新井薬師門前通にオープンした「しょぼい喫茶店」(中野区上高田2)が2月29日、閉店した。

(関連フォト)「しょぼい喫茶店の本」と「しょぼきつ」店内

 就職活動に疲れ、人生に行き詰まった、当時現役大学生だったえもい店長こと池田達也さんがオープンした同店。えもい店長は「就活の時、どの企業にも『要らない』『要らない』と言い続けられ、起き上がることすらできないほど悩んでしまったとき、自分が死なないようにたくさんの友人がそばにいてくれて、今生きていられる。誰かにとっては『しょぼい』自分であっても、生きていてほしいと思ってくれる人が必ずいると感じた。自分が最低限生きていける場所や同じ思いをしている人たちのための居場所がつくれたら」という思いで開業した。開店後はさまざまなメディアに取り上げられ、人気店となった。

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 2019(平成31)年4月10日には実話書籍「しょぼい喫茶店の本」も出版。同著には、えもい店長が店を始めるまでのエピソード、えらい店長や資金を提供してくれたカイリュー木村さんのこと、後に結婚し子どもも授かったスタッフおりんさんのことなどを時系列で書き、「予想外の来客」としてメディアとして最初に取材した中野経済新聞のことにも触れられている。「しょぼい喫茶店の記事が掲載されたという旨のツイートはどんどん拡散され、300人以上にリツイートされた。(その記事は)Facebookでは4000回以上シェアされ、Yahooニュースやスマートニュースなどにも掲載された。バズるというやつだった」。

 昨年11月19日、おりんさんのツイッターで「夫が休みなく働き続けてちょっと精神肉体共に限界がきているので、お休みをさせようと思います。私も育児中の為、お店をしばらく閉めさせていただきます。復帰の予定は未定です。まずは家族みんなが健康で笑って過ごせることを大切にしたいと思います。ご心配・ご迷惑をおかけして申し訳ありません」とつぶやき、多くの励ましのリツイートがあったが、「しょぼ喫」が再開することはなかった。

 えもい店長はネット上で「(閉店することを)なかなかツイートすることができずに、グダグダと先延ばしになってしまった。最後の最後までこれかよと自分でも思う。本当なら最後の数週間は店を開けておかなければとか、最終営業日を設けないといけないとか思っていたのだけど、そういうことを『やりたい』という気持ちになれなかった。足繁く通ってくださった方々に対して、本当に不誠実な態度だと思う。申し訳ありません」と苦悩を明かし、「3年前の就活がだめになったときは、本当に死んでしまいたいと思ったけど、今はそうは思わない。目の前には妻がいて娘がいる。その現実が自分を死から遠ざけてくれているように思う。本当に心から感謝したい。最後に繰り返しになりますが、しょぼい喫茶店を支えてくださった全ての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました」(以上、原文ママ)と述べている。

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