朱のべん(しゅのべん)さんの個展「古tive イニシエチブ」が11月18日、廃業した写真館をリノベーションしたギャラリー&バー「スタジオ35分」(中野区上高田5)で始まる。
朱のべんさんは1980(昭和55)年会津若松市生まれ。90年代後半にスケートボードやヒップホップに影響を受け、創作活動を始める。2001(平成13)年、仙台市に移住。幼少より敬愛する水木しげるを通じて遠野物語や曼陀羅(まんだら)の世界にのめり込んだという。1本の線が渦巻き・ループ・らせんに絡み合う「VOCCCI(ぼっち)」と自ら呼ぶシンボルを基に作品を展開している。国内外での作品展示や、DJとのライブセッション、コラボレーションワークなども行う。同スタジオでの個展は2016(平成28)年に続き2度目。
「イニシエチブ」は、古(いにしえ)と、率先・先導などの意味を持つ「initiative(イニシアチブ)」を組み合わせた造語で、「古代を思う今をさかのぼる感じと、率先して先に導いていくという進む感じがクロスしてプラマイゼロで昇華するイメージ」(朱のべんさん)という。同ギャラリー代表の酒航太さんは「いわゆるストリートアートとは逸脱した彼独自の表現スタイルは深淵(しんえん)で土着的な匂いが漂っている。自らがVOCCCIと呼ぶ1本の線で描くらせん状の線画を繰り返し描く。繰り返される行為は求心的な儀式のようであり、複雑に絡まったその線もループしていて、どこか魔術的な中毒性がある」と話す。
開催時間は18時~22時。日曜~火曜定休。12月12日まで。