中野セントラルパークに本社を構えるキリンビバレッジ(中野区中野4)は1月20日、同社の事業方針説明会を開いた。
(関連フォト)キリンビバレッジの「免疫ケア」商品ラインアップ
説明会で同社の吉村透留(とおる)社長は「健康カテゴリーが好調に推移し、特に特保(特定保健用食品)や機能性表示食品が1割近く増加。コロナ禍で外食する機会が減り、自動販売機やコンビニはコロナ前には戻っていないが、量販店やECなどが好調だった。2021年は『CSVを基軸としたポストコロナに向けた再成長』をテーマに取り組むも、新型コロナ感染症拡大の影響が続いたことと、最盛期の天候不順が影響し、販売数量は前年を下回った。自販機ビジネスの収益改善や小型ペット商品へのさらなる注力により、利益確保に努めた」と話す。
2021年の販売実績は、2億589万ケースで前年比マイナス3%。「プラズマ乳酸菌」入り飲料は534万ケースで前年比プラス66%となり大幅増となったが、「午後の紅茶」は35周年施策を、「生茶」はR100ボトルの拡大など環境対応に取り組んだが前年を下回ったという。
2022年の事業方針としては、「CSV経営を一層進め、既存飲料事業とヘルスサイエンス領域の両輪を回すことで持続的成長を実現することを目指し、『ヘルスサイエンスをドライバーとする新たな価値創造への転換』を戦略スローガンとする」と発表した。基盤ブランド「午後の紅茶」と「生茶」でCSVの取り組みを強化し、ブランドの再成長を目指すほか、「午後の紅茶」は「無糖」「微糖」商品に注力し、CSVフラッグシップブランドとして存在価値を高める。「生茶」は春に大型リニューアルを実施予定で、サステナビリティーを実現するブランドイメージを醸成する。ヘルスサイエンス領域のさらなる強化として「免疫領域」のさらなる拡大を図る。吉村社長は「ヘルスサイエンス領域は今後のキリンビバレッジ成長戦略の幹となる事業。まずは『免疫ケア』と言えばキリンと言われる状態を目指す」と話した。
商品ポートフォリオ戦略として、「免疫ケア」へのアプローチを促進する「免疫の標準装備」、3月29日から「プラズマ乳酸菌」1000億個を配合した「iMUSE朝の免疫ケア」の発売で「朝の習慣領域の獲得」、同グループ素材を活用したシニア層への課題解決提案商品やファンケルとのコラボブランドによる新たな価値の創出「新たな市場開拓」という「3つの柱」と、習慣化につなげるための「チャネルの変革」を今後進めていくという。