現代作家4人によるグループ展「明けの明星」が5月1日、JR東中野駅近くの「Art Space銀河101(いちまるいち)」(中野区東中野1)ギャラリースペースで始まる。
昨年3月にこけら落としイベントを行った「銀河101」は、若い現代アーティストたちが古いアパートの1階をリノベーションして開いたギャラリーとアトリエを併設するアートスペース。廊主の大人倫菜(おおひとりな)さんによると、「作品に真摯(しんし)に向き合って制作を続けているアーティストが、正当な評価を受ける礎をつくること」を趣旨とし、「中野エリアにおける新しいアートの拠点として、芸術作品の体験・鑑賞を通してより多様な考えの構築に貢献できる場所として機能すること」を目指しているという。アトリエ名は入り口にある窓ガラスの模様と部屋番号から。
今回のグループ展は、今年の春に東京芸術大学を卒業または修了した北上貴和子さん、小島有加里さん、チョ・セイブンさん、堀田ゆうかさんの4人展。大人さんは「この4人は、自身の学生生活の最後の2年間をコロナ禍の中で過ごし、自身の生活様式の変化により制作スタイルが制限され、より自分自身と向き合いながら制作を行ってきた」と話す。
今春、学部を卒業した堀田さんは、「人に内在するであろうさまざまな脆弱さをつなぎ合わせることで立ち上がる絵画などを肯定していくような制作」(大人さん)を行う。北上さんは、フラクタルなどの複雑系科学と東洋哲学との接点を探りながら、美術における理論と実践を研究。その接点の一つ「動的なプロセス」をテーマに、作品の制作や展覧会のキュレーション、アートプロジェクトなどを行っている。小島さんは器や机、照明などを全て制作することによって、人の気配を感じる空間を作り出している。チョさんは、母への思いや母と自身との関係性をベースに、現代における自己と他者や、物事に関する線引きなどを一つのシリーズとして表現している。
大人さんは「展示タイトルである『明けの明星』は、夜明け前に東の空にひときわ明るく見える金星のことを指す。コロナ禍の現在の状況に夜明けが来ることを願いながら、その中で美しくまたたく作品群を見てほしい」と話す。
開廊時間は13時~19時(最終日は16時まで)。入場無料。5月7日まで。初日の17時~18時30分には、出展作家4人によるアーティストトークを行う。