JR中野駅南口の交番となりの立ち食いそば・うどん店「立ち寄り処 中野屋」(中野区中野2)が3月31日、50年の歴史に幕を下ろす。
1970(昭和45)年に同地にオープンした同店。店主の磯正治さんは、中学生のときに栃木県から上京し、東京の親代わりだった人が「中野駅前に新らしくそば屋を出さないか」と言われ、高校卒業と同時に修業に出たという。修業先は、まだ池袋・渋谷・新宿・西荻窪の4店舗しかなかった「名代 富士そば」の渋谷宇田川店だった。1年間「富士そば」で修業し、19歳のときに支援を受けて開業した。
開業時は「駅前そば」という店名だった。そばとうどんを中心に、カレーなども提供した。開業25周年には店名を現在の「中野屋」に変更した。2024年に完成する予定の中野駅南口ロータリー整備で道路が拡張され、建物が取り壊されることから閉店を決めたという。
磯さんは「中野駅周辺の再開発で、借りているこの場所も取り壊されることとなった。代替えで駅前のいい場所があれば移転してまたそば屋をやろうとも思ったが、気に入った場所もみつからず、50年間休みなく立ち続けてきたので、とりあえず骨を休めることにした。しばらくしたらまた考える」と話した。「駅前という立地もあり、代議士や芸能人などさまざまな著名人も立ち寄ってくれた。50年間ありがとうございました」とも。
営業時間は6時~16時30分。3月31日まで。