能楽師・小島英明さんが主宰を務める皐風会(中野区東中野4、TEL 03-6383-2262)は10月11日から、能楽講座「先生方のための能楽入門」を開始した。
文化庁の伝統音楽普及促進支援事業として、音楽科教員や教育関係者ら40人を対象に行う同講座。土曜または日曜、月2回のペースで来年2月7日まで全10回の講座を小島能楽堂で開催する予定で、10月11日には講座説明を中心とした初回講座を実施した。。
能の歴史、構成などを学ぶことから始め、能の四拍子(笛・小鼓・大鼓・太鼓)に触れながら、4回目からは演目として有名な「羽衣」を題材に「謡(うたい)」と「小鼓(こつづみ)」の実技を中心に学ぶ。10回目には実技の発表も予定している。
小島さんは「新しい学習指導要領では、日本の伝統文化の理解が柱となっている。特に『能楽』は国語や音楽の教科書にも取り上げられ、子どもたちも触れる場面が出てきた。能楽について知りたい先生、謡や小鼓の稽古をしてみたい先生に参加いただき、『伝統音楽を授業で効果的に取り入れるにはどうしたらよいのか』を一緒に考える機会となったらうれしい」と話す。
小島さんは観世流シテ方、1970(昭和45)年中野区生まれ。観世喜之に師事。祖父は先々代喜之さん、伯父は先代喜之さんに師事した能楽師で、幼少より能に親しむ。シテ方として東京を中心に各地方公演だけでなく、フランス、イギリス、アメリカ、スペイン、ベルギー、シンガポール、韓国、ロシアなどの海外公演にも多数参加。宮城県白石市にある「碧水園」、埼玉県深谷市、地元・中野区における定期公演のほか、薪能、ろうそく能などの公演を企画・実施。「多くの人に能楽に触れる機会を持ってほしい」と、能楽講座の開催にも尽力する。「皐風会」は1922(大正11)年、小島さんの祖父に当たる能楽師・小島曙光さんが設立し、現在は小島さんが主宰を務めている。
10月11日に行われた第1回の講座説明以降の講義内容と日程は、10月19日「第2回 講演(能楽について知る)」、11月1日「第3回 本物の楽器体験」、11月8日「第4回 能『羽衣』の謡に取り組む(1)」、同29日「第5回 能『羽衣』の謡に取り組む(2)」、12月6日「第6回 能『羽衣』の謡に取り組む(3)」、同13日「第7回 能『羽衣』の小鼓に取り組む(1)」、翌年1月17日「第8回 能『羽衣』の小鼓に取り組む(2)」、同31日「第9回 能『羽衣』の小鼓に取り組む(3)」、2月7日「第10回 実技の発表」。開講時間は18時~20時。参加無料で、募集人数は40人。途中参加やスポット参加も可能。