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東中野で原発問題映画「セシウムと少女」 直球表現も実写とアニメでコミカルに

初日舞台あいさつの様子(左から才谷監督、飯田さん、なんきんさん、白波瀬さん、あーちゃん役の白クマ、山谷さん)

初日舞台あいさつの様子(左から才谷監督、飯田さん、なんきんさん、白波瀬さん、あーちゃん役の白クマ、山谷さん)

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 東中野の映画館「ポレポレ東中野」(中野区東中野4)で11月14日、映画「セシウムと少女」の上映が始まった。

(関連フォト)困惑する白クマ

 ふゅーじょんぷろだくと(杉並区阿佐谷北2)が2015年、原発問題をテーマに製作した同映画。主人公のミミ役には白波瀬海来(しらはせかいら)さんを抜てきし、らーさん(雷神)役に長森雅人さん、ふーさん(風神)役に飯田孝男さん、うみさん(海神)役に川津祐介さん、たーさん(田の神)役に山谷初男さん、ミッキー(芸能の神)役になんきんさんらベテラン俳優陣が脇を固める。そのほか、大ちゃん(大国主命)役には文化人の山崎恵史さん、せりふのないあーちゃん(阿修羅)役の白クマで7人の神様を演じている。若き日の静役は金野美穂さんが演じた。

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 両親と3人、中央線阿佐ヶ谷で暮らしている3月3日生まれの少女ミミちゃんは、不思議な力をそれぞれ持った雷神・風神・阿修羅・大黒天・海神・田の神・芸能の神の7人の神様と出会い、入院中の祖母の九官鳥「ハクシ」を探しに一緒に東京の町に繰り出す。昔の東京にタイムスリップし、ハクシの名前の由来となった憧れの詩人・北原白秋と対面。時空を越え、神と人間の垣根も越えて、東日本大震災の影響で東京の水辺に降り積もってしまったセシウムと付き合いながら、未来の東京でも生きられるために旅を続けるというストーリー。

 監督は岡本喜八監督に師事し、その後独立して「ふゅーじょんぷろだくと」を設立した才谷遼さん。撮影は黒沢明監督の「椿三十郎」「天国と地獄」「赤ひげ」の撮影助手を務め、モントリオール世界映画祭グランプリを受賞担当したクロード・ガニオン監督の「ケニー」も担当した加藤雄大さん。主題歌は元「たま」の知久寿焼さんが担当した。

 映画の見どころのひとつ、本編に幾度となく登場する個々のアニメーションは、「ラーメン小池さん」のモデルとしても有名な杉並アニメミュージアム館長の鈴木伸一さんが「風神アニメ」、ベラルーシの若手アニメーション作家Yulia Ruditsukayaが「大国主アニメ」、「火垂るの墓」「未来少年コナン」「じゃりん子チエ」などで作画や原画を担当した東京工芸大学アニメーション学科教授の才田俊次さんが「阿佐ヶ谷文士村パラパラ漫画」を担当した。アニメーション作家の吉野ナオコさんと梶原由貴子さんが担当した1940年の東京にタイムスリップするシーンは、ピクシレーション(人間コマ撮り)を中心に、当時の絵はがき・ポスター・写真やイラストでコラージュするなど、さまざまな手法で制作し、戦前の東京の風景をポップで楽しい世界観に仕上げている。

 公開初日の初回上映後には、白波瀬さん、飯田さん、山谷さん、なんきんさん、あーちゃん役の白クマと、才谷監督が舞台あいさつに登場した。舞台で才谷監督は「映画の中で、名指しのせりふや直球的な表現をしている。原発問題に対してストレートに表現していいものかどうかと考えたが、やっちゃえと思って作りました」と話した。主役の白波瀬さんは「1度だけ見てもきっと全部が伝わらないし理解できないと思うから、何度も見てほしい」と話した。山谷さんがあーちゃん役の白クマに「何か言ったら?」としつこく声を掛けていたが困惑し、「言葉が話せない設定なので」というジェスチャーをして会場の笑いを誘っていた。

 上映時間や回数は期間によって異なる。料金は、一般=1,500円、大学生以下=1,000円。高校生以下の子どもを連れてきた大人は無料という「大人の責任割引」も実施している。トークショーやライブイベントの内容は同館公式サイトで確認できる。12月4日まで。

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