中野区は1月29日、中野区議会の中野駅周辺整備・都市観光調査特別委員会で区役所・中野サンプラザエリア再整備の施行予定者候補を決定したと発表した。
(関連フォト)施行予定者候補が提示した新区庁舎側の鳥瞰(ちょうかん)「サンプラザの森」のイメージ図
施設の老朽化、周辺エリアのまちづくりなどの観点から区役所や中野サンプラザを見直して中野駅新北口駅前エリアの整備を行う中野区の拠点施設整備。同整備事業は、同エリアにおける地権者の同意を得た民間事業者を施行者とする第一種市街地再開発事業による整備を想定し、同区が昨年2月7日に同事業の施行予定者となる民間事業者を募集したもの。提案書を提出した2つの事業者グループに対し、外部有識者で構成する審査委員会を設置し、昨年10月~12月に行った審査委員会での審査を経て、同区が施行予定者候補と次点候補を選定した。
施行予定者候補として選定したのは、野村不動産を代表事業者としたグループ。施行予定者として東急不動産、住友商事、ヒューリック、東日本旅客鉄道、協力事業者として清水建設、日本郵政不動産、日本設計、電通、ジェイアール東日本ビルディング、野村不動産ホテルズ、野村不動産パートナーズ、東急コミュニティー、リージョンワークスで構成されている。
施行予定者候補は「文化を原動力とした中野100年のまちづくり」と題し、中野サンプラザのDNAを継承した新たな「NAKANOサンプラザシティ」を提案。最大7000人収容の大ホールとホテルを有するNAKANOサンプラザ、オフィス・レジデンス・商業施設を有するシンボルタワー、スカイデッキなどで全体を構成している。
施行予定者候補の提案について、「公共公益性の向上につながる空間整備において、歩行者ネットワークの構成や施設内通路、広場等の配置が明快であり、利用者にとって分かりやすいこと」「文化・芸術等発信拠点の形成において、7000人規模のホールをさまざまな演出に対応する舞台と視距離を抑えた客席により構成し、同様な競合ホールが多くないこと」「エリアマネジメントにおいて、地域と連携した取組みが具体的に提案されていること」点を高く評価する。一方で今後のさらなる検討が必要となる点として、「施設計画における、中野通り側のにぎわいの形成や建物壁面の圧迫感の軽減」「事業の推進計画における、資金計画の確実性」を挙げている。
3月には同区と施行予定者候補の間で基本協定の締結を予定している。