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東中野「東京演劇集団 風」が4年ぶりブレヒト作「コーカサスの白墨の輪」

「コーカサスの白墨の輪」ワンシーン(1)

「コーカサスの白墨の輪」ワンシーン(1)

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 東中野の「レパートリーシアターKAZE」(中野区東中野1、TEL 03-3363-3261)で4月3日から5日間、東京演劇集団「風」の公演「コーカサスの白墨の輪」が行われる。

(関連フォト)「コーカサスの白墨の輪」ワンシーン(2)

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 原作者のベルトルト・ブレヒトはドイツの劇作家、詩人、演出家でアウクスブルク出身。ミュンヘン大学時代より文学活動を始め、1922年に上演された「夜うつ太鼓」で脚光を浴びる。代表作に「三文オペラ」「肝っ玉お母とその子供たち」「ガリレイの生涯」など。「コーカサスの白墨の輪」は戦時中の1944年、アメリカ亡命時代の最後の作品にブレヒトが希望を託した一人の女と一人の男の全く異なる人間の交差を描いた作品。

 反乱が起き、町を治める領主が倒された復活祭の日曜。戦地に赴く婚約者の帰りを待つお手伝いグルシェは、善への誘惑に負け、領主の赤ん坊を背負い込んでしまう。厳しい冬の中、追っ手や飢えから逃れるため、赤ん坊と二人きりの旅が始まった。一方、反乱が起きたその日に、偶然にも裁判官にさせられてしまった、村役場の飲んだくれアツダク。賄賂を懐に「イカサマ判決」を下し、貧しい者にも正しい裁きを与える彼は、人々につかの間の正義の時代をもたらした。それぞれが違う道をたどったグルシェとアツダクは、子どもをめぐって開かれた裁判の席で出会うこととなる、という展開でストーリーは始まる。

 演出は「なぜ ヘカベ」「ニーナ あるいは剥製のかもめの脆(もろ)さについて」「戦場のような女あるいはボスニア紛争の戦場のような女の性について」などのマテイ・ヴィスニユック作品を手掛けてきた江原早哉香さん。同作は2015年に新作として発表、4年ぶりの公演となる。出演は、グルシェ役の白根有子さんのほか、柳瀬太一さん、栗山友彦さん、佐野準さん、柴崎美納さん、工藤順子さんら。

 チケットは、大人(当日券)=4,000円、学生=3,300円。平日は19時開演、土曜・日曜は14時開演。前売り券の価格やチケット購入方法など、詳しくは同劇団オフィシャルサイトで確認できる。4月7日まで。

 同劇団は1999年に自前の拠点劇場「レパートリーシアターKAZE」を建設し、2003年には演目を使い捨てにせず、繰り返し上演を重ね、観客との対話の中で質の高い舞台を育てていくことを目的として、レパートリーシステムの劇場として本格的な活動を開始。専属の俳優、スタッフを抱え、群馬県・月夜野町にストックヤードとしての演劇工房も併設。「舞台と観客」双方向のコミュニケーションづくりの実験の場としての「劇場」を目指している。

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