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昭和新道の小料理店が「子ども食堂」専用ルーム増床 無償弁当提供も2000超え

4月5日には無償弁当の提供数が2000を超えた

4月5日には無償弁当の提供数が2000を超えた

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 JR中野駅北口・昭和新道商店街の小料理店「旬香亭(しゅんこうてい)あーち」(中野区中野5、TEL 03-3388-6941)が4月5日、子ども食堂専用ルーム「あーちのめし処」を増床しリニューアルオープンした。

(関連フォト)リニューアル後初めての子ども食堂(4月5日開催時)の様子

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 3人の子を持つ野村麻江さんが2015(平成27)年2月6日に「おばんざい」の店として開いた同店。オープン当初はカウンター7席で、旬の食材を使った大皿料理と鮮魚の刺し身などを中心としたメニューを提供していたが、隣が空き部屋となったため、2018(平成30)年4月に1回目の増床。2019年10月には「みんなでワイワイ食べるご飯が楽しいことを知ってほしい」と独りぼっちの子どもやひとり親家庭の支援として無償弁当の提供や「子ども食堂」の実施を始めた。その際、同店のとなりで営業を行っていた「家珠の店 あさみ」が「子ども食堂」のために場所を提供してくれていたが、新型コロナの影響で閉店してしまったため、その場所を同店と繋げ、子ども食堂専用ルームとして増床した。

 一昨年から始めた「子ども食堂」やひとり親支援のために無償弁当提供した数は、延べ2000食を越えるという。野村さんは「自分がシングルマザーで、自分の子どもたちにも寂しい思いをさせたくないために始めた子ども食堂。一人ぼっちの子どもたちやひとり親家庭だけじゃなく、共働きの夫婦や10代女性支援団体などにもお弁当を提供していて、今年の1月や2月の提供弁当は月500食を越えた。このコロナ禍で、さらに困っている子どもたちが増えてしまったみたい」と話す。

 専用ルームでは4月末あたりから本格的に「子ども食堂」を開始するという。今のところ月曜・火曜・木曜・金曜の17時~20時に小学5年生から大学生くらいまでに場所とお弁当を提供する計画だ。土曜には子どもたち向けの料理の作り方ワークショップやアートのワークショップも実施予定。部屋の壁はギャラリーとなっていて、子どもたちの描いた絵や若手アーティストの絵が展示できるよう工夫している。冷蔵庫の絵は、若手アーティストの国松飛龍さんが描いていて、国松さんのライブペインティングイベントも企画している。

 野村さんは「知り合いの焼肉屋さんがいつもお肉を提供して下さったり、中野区にも子ども食堂支援金を提供いただいているし、ほかにも友だちが野菜や食材などを下さったりと、この無償弁当提供や子ども食堂の取り組みには多くの方々の支援と熱い思いで成り立っている。支援して下さる方々に感謝しつつ、これからも子どもたちの笑顔を思い浮かべながらお弁当や空間を提供していきたい」と話した。

 ランチタイムは11時30分~13時。子ども食堂は17時~20時。夜は会員制で17時~22時(通常営業時)。土曜・日曜・水曜・祝日定休。

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