中野ブロードウェイ（中野区中野5）4階のアートギャラリー「Gallery リトルハイ」で1月8日から、銭湯絵師・丸山清人さんの個展「THE銭湯富士～伝説の背景画絵師～」が開かれる。

丸山清人さんの銭湯背景画作品

　丸山さんは1935（昭和10）生まれ。父親が銭湯広告物専門の会社に勤務していた関係で幼いころから絵師がそばにいる環境で育ち、美術学校を卒業後、父親と同じ会社へ就職しながら現場で絵師としての技術を学んだ。25歳のときには一人で絵を任されるようになり、現役銭湯背景画絵師として活動する。現在日本には銭湯背景画絵師は数人しかいないとされ、80歳の最高齢銭湯背景画絵師で第一人者。

　同展では、丸山さんが過去に描いた銭湯背景画の構図をベースに、自宅などの観賞用に描いたペンキ画作品約30点を展示販売する。

　同ギャラリーオーナーの小高均さんは「銭湯、それは古き良き昭和の時代のぬくもりを今も残す日本人の心の故郷。広々とした湯船にゆったりと漬かり、雄大な富士山の絵を見ながら一日の疲れを癒やす時、誰もが失われた何かを思い出す。約100年前に初めて描かれた銭湯の名物ともいえるペンキ絵は、庶民文化の歴史においても大変貴重で素晴らしいアート。富士山を中心とした丸山さんの作品の熟練技をぜひ体感してほしい」と話す。

　開催時間は12時～19時（最終日は17時まで）。水曜休廊。1月18日まで。