中野ブロードウェイ（中野区中野5）4階のアートギャラリー「Gallery リトルハイ」で3月17日、銭湯絵師・丸山清人さんの個展「THE銭湯富士～湯船の世界遺産～」が始まる。

（関連フォト）丸山清人さんの作品「牛着岩」

　丸山さんは1935（昭和10）年生まれ。丸山さんの父親が銭湯広告物専門の会社に勤務していた関係で幼い頃から絵師がそばにいる環境で育った。美術学校卒業後、父親と同じ会社へ就職して現場で絵師としての技術を学んだ。25歳の時には一人で絵を任されるようになり、銭湯背景画絵師として活動。銭湯画1万枚以上を手がけた。

　ギャラリー店主の小高均さんは「（銭湯背景画によく見られる）富士山が世界自然遺産なら、初めて描かれたのが約100年前という銭湯ならではのペンキ絵『銭湯背景画』は、日本の庶民文化の歴史遺産ともいえる」と話す。

　同展では、丸山さんが過去に描いた銭湯背景画の構図をベースに自宅などの観賞用に描いたペンキ画作品大小約40点を展示販売する。

　小高さんは「国内に3人しかいない銭湯背景画のペンキ絵師で現役最高齢が丸山さん。丸山さんの描く美しい『THE銭湯富士』を眺めながら、ゆっくりと銭湯の気分を味わってほしい」と話す。

　開催時間は12時～17時。水曜休廊。入場無料。3月26日まで。