JR中野駅北口・中野サンモール商店街のフジヤ時計店（正式名称＝株式会社富士屋、中野区中野5）が7月24日、120年の歴史に幕を下ろした。

（関連フォト）「富士屋時計」の看板が見える1954（昭和29）年9月の中野北口美観商店街の写真（中野区「なかの写真資料館」より）

　1901（明治34）年にオープンした同店。腕時計をはじめ懐中時計・掛時計・置き時計・目覚し時計などの時計や時計バンドの販売や修理、指輪・ネックレス・ピアス・イヤリング・ブローチ・ペンダントなどのジュエリーの販売を生業の中心とし、中野北口美観商店街時代、中野サンモール商店街時代と現在の場所で営業を続けてきた。

　閉店について、近藤社長は「このご時世で小売りという業態が時代に合わなかったとは思うが、コロナ禍でこの商店街への来街者は激減し、自分たち小売業はダイレクトに影響を受けた。潮時と思った。これを機に廃業する」と話す。「店頭の大時計もメンテナンスもできず維持できないので廃棄の予定」とも。

　シャッターには「120年間のご愛顧 本当にありがとうございました。この土地で、この場所で、皆様と時間を共有できたこと、とても幸せで感謝の気持ちでいっぱいです。きっとまたどこかでお目にかかれる日を楽しみにしております。フジヤ時計店 店主」と貼り紙が掲出されている。

　ネット上では「これから時計をどこに直しに行けばよいのか。寂しい」「大事な時計を安心して預けられる唯一のお店でした」「閉店してもなお時を刻んでいる大時計のことが気になる」「この時計、サンモールの入り口あたりか中野ブロードウェイのどこかに寄贈展示したらよいかもと思いました。中野の区宝ですね！」（以上、原文ママ）などの書き込みが見られる。